安心はしあわせ 保険の鶴亀

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鶴亀の小さなブランドづくり(16)

自分を信じるこころ

◇第三次銀行窓販解禁

12月22日から、第三次銀行窓販解禁となる。2年後の全面解禁に向けて、いよいよカウントダウンが始まった。今回の規制緩和では、一時払い型の終身保険と養老保険が販売可能になった。遂に、死亡保障をターゲットとした分野への進出が具現化したわけである。生保各社は、銀行員向けに「売りやすく」商品をアレンジし「トラブル」が発生しないような戦略でスタートする。生保各社にとって、巨大チャネル誕生の目的は、先ずシェアとマーケットの獲得が第一であり、我々を含めた既存チャネルにとっては、また一つ、重要な外堀を、(負け惜しみではなく)埋められたといって間違いないだろう。

◇全額損金商品の問題

そんな中、既存の生保販売における、有力な販売手法である[全額損金]を謳い文句にした商品に対し、今後支払い保険料の一部が、資産計上される可能性がありますとの確認書をお客様に提示し、同意の署名・捺印を取り付けた上で、契約を締結するという摩訶不思議な現象が現れ始めた。これは一体どういうことなのか?と顧問税理士に問い合わせたところ、自分のクライアント先にも、その商品を勧められている所が数件あり、(印を押すべきかどうか)という相談が、実際に持ち込まれているとの事であった。

◇税理士の個人的見解

「個人的な見解ですが」と、私に前置きした上で、確認書を取り付ける背景としては、国税庁長官名で、各保険会社への回答文書(の存在)があるばずであり、逆に税務通達等の明文化された規定が無いという事は、当局として、いつでもそれを変更できる(遡及して認めない事も含め)という解釈が妥当であると語った。
更に税理士からは「武山さん、こういった時は自分の直感を疑ってはいけません。全額損金できますと言って売った商品が、途中で出来なくなるという事は、生保業界の人が考えているほど甘い事ではないのですよ」「もし、事前に知っていながらも販売し、結果、話しが違う!とお客様から訴えられたら如何いたしますか?」
「長年、築き上げてきた信用と実績が、一瞬にして崩れ去る事もあるんですよ」

◇今、試されているのは

考えてみれば、今国会で追及されている[建築物耐震構造偽装問題]にしても、関わった人間が、異口同音に「建築確認申請が通ったのだから問題が無いはず」「自分はそれに従っただけ」と自己保身に走り、素人でも判るような、無責任極まりない証言を繰り返しているが、(それが当事者のみならず、業界全体の信用を失墜させ、国民からは、より一層の厳しい目で見られる事を、今回明示した)正に顧問税理士が、指摘する部分というのは、この偽装問題ほどでは無いにせよ、近年、生保業界自らが露呈した、数字を優先させる為には「契約者の利益をも軽んじる」体質と、それがひいては、業界として顧客に与える「胡散臭さ」「曖昧さ」のイメージが、(拭い難い残滓として)クローズアップされているのだと感じた。

◇自分を信じるこころ

今回の顧問税理士とのやりとりで、お客様の貴重なる財産を預かるという事は、「それほど重い責任なのだ」と、改めて肝に銘ずるところとなった。そして、目先損得や、成果に惑わされること無く、自分を信じるこころを大切にし、自らの理想とする代理店像の実現に向かって、一歩一歩進んで行く事が、如何に大事であるあるかを再確認した。弊社の中期経営計画書に[鶴亀の存在意義]を掲げている。
最後に、これらを自らに言い聞かせることで、今号の結びとしたい。

①保険という無形の商品を通じて、お客様に「保険の真髄」を伝えられる、真剣で、誠実で、強く、心の温かい人間が必要である

②保険商品を通して、将来起こり得るリスクを、経済的かつ合理的に提案してくれる人間が必要である。しかも、それは常にお客様の立場に立っていなければならない

③手段を選ばず結果のみを優先し、犯罪行為にまでおよぶ企業や、社会的風潮が蔓延る中、真にお客様の側に立った人間が必要である。「当たり前のことを当たり前に」誠実にモノやコトを積み重ねて行けば、それに相応しい結果が付いてくる事を保険の鶴亀全社員は、自らの行動と智恵を持って証明しなければならない。
保険代理店専門メールマガジン【inswatch】
2005年12月19日 Vol.281号掲載
http://www.inswatch.co.jp